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怠惰な男の多忙な日常
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 仕事で仙台に行き、帰りに「津波の被害があった沿岸部へ」と案内されるまま車で向かった。
 着いたのは海水浴場。もちろん、今季は閉鎖である。海岸では重機が動いていた。
 たどり着くまでにも、広がる草むらに、こんもりとしたがれきの山が方々に点在していた。大破した車や家屋の残骸。ダンプが行き交い砂塵を上げる。海岸に着くまでに息をのむ光景が目の前に広がる。
 写真でいろいろ見て、それなりに「大変なことだ」とは認識していたつもりだが、いざ目の当たりにすると、その衝撃ははかり知れず、言葉を失った。
 海岸に着いて車を降りると、基礎だけを残してあらかた流されてしまった住宅街の跡だった。テレビや写真で見た被災地は空襲の焼け野原を連想させたが、ここはもっときれい。つまり、すべて流されてうしなわれたり、瓦礫があらかた撤去されたあとのようで、砂と雑草が住宅街だった土地にはびこっていた。
 夢中で写真を撮った。撮りながら涙が出てきた。こんなものがあった、こんな風になっていたということを「誰かに伝えなきゃ」と思いながら写真を撮った。
 帰って、しばらくして頭が冷えてきたころにフィルムを現像した。スキャンしてアップしようとして、ふと考えた。
 惨状はこれまでもいろんなメディアが伝えてきているし、受けたインパクトの大小はともかく、多くの人も見てきたはず。あの地震から5カ月が過ぎた今も、現場を見て受ける衝撃は大きいが、本当にこれをアップするだけでいいのか。この写真でいいのか。立ち直ろうとする、そんな希望の持てるような写真を撮ること、そんな表現をすることも大切なんじゃないだろうか...。そんな風に考えてしまったのだった。
 裏を返せば、そんなことを考える余裕もないほどの状態だったともいえるのだが。
 東日本大震災で被害に遭われたすべての方に、改めてお見舞い申し上げます。
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HN:
Chuck(ちゃっく)
性別:
男性
趣味:
写真、自転車、ナイフ製作など
自己紹介:
多趣味なナマケモノの日々の思考や生態を自ら観察、研究して暴露する。
と言っても「暴露」するほどすごいことでもないが。
本文は「~である」調で統一する。実際のコメントのやりとりでは「です、ます」調でかくのでよろしく。
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